こんにちは、jinbocchiです。
本の話を過去の記事に数回あげましたが、たまたま「どんな本を読んでいるのか」という質問をされたことを思い出した。
質問をしてきた子は当時、大学生の子だったんだけども、勉強熱心な子だったなぁと。
正直なところ、おすすめの本を聞いているようではだめだとも思う。
これについては過去に書いた。なので、基本的には本屋に行って自分で手に取れ、が常に大事なのですが、それでも参考として聞かれたのが冒頭の質問だった。
ので、それについての指針をひとつ。
それは、「成功事例を学ぶより失敗事例を学ぶ方がタメになりやすい」という観点です。
ビジネス書なんかだと、
「うまくいくビジネスの45個の法則」とか
「出来る人が取り組む60個のルール」とか
こういうの、多いですよね。
個人的には、こういう本も沢山読んだので分かりますが、めっちゃためになるものもあれば、そうでもないものありました。まぁ。本を書く側になったことが無いので、偉そうには言えませんがね。一読者の意見として。
その尺度が「成功事例か、失敗事例か」です。
他社が成功をしているとき、その成功に向けてどのような行動がとられたのか、というのはあまり学びにしにくい側面があります。
というのも、ビジネスであれば売り上げが、勉強であれば成績が、それぞれ好調の時というのは、それ自体がある程度の問題を解決したうえで成り立っているんですよね。
その状態の行動事例というのは、一般化するにはハードルがあるんです。が、ここが案外説明されない。
いくつものハードルを越えてきた結果の好調なわけです。
簡単に言ってしまえば
「いや、それはあなただから出来たことでしょう」
みたいにね。
当然、そうは言っても学べることはあって、自分の状況に引き寄せたうえでどうに学ぶのか、どの部分なら取り込めるのか。そういう発想がとっても大切です。
けど、物理的に 「いや、それはあなただから出来たことでしょう」となることもありえます。そういう意味では、成功事例を学ぶというのは有効活用が出来る部分は限定的か、合わないことも多々ある、ということですね。
成功事例を提供する側と、提供される側の、内容レベルのすり合わせが重要です。
加えて、おさえなきゃいけないことで「生存バイアス」と呼ばれる考え方があります。
例えば、勉強の話題で考えてみましょう。
●●大学を合格した人はAという参考書を使っていた!という事実があったとしましょう。
このAという参考書は●●大学を合格するために必携でしょうか?
このとき、●●大学に不合格した人たちも、Aという参考書を使っていたかもしれませんね。
ついつい合格した人たちのみの事実をたどってしまい、不合格だった人たちの事実を確認していないですよね。
そして、
●●大学を合格した人はAという参考書を使っていた!
●●大学を合格しなかった人はAという参考書を使っていなかった!
という先入観を生んでしまう。
これが生存バイアスです。
それに対して、失敗事例というのは学びになりやすいんですね。
失敗事例というのは、間違った結果が出ている事実。
それに対して、どのように回避するのかを検討したり、そういった場合を改善するための方法を改めて考えたりすることが出来るからです。
だからこそ、失敗事例から学べることは具体的であるし、こちらの方が本当は大事なのかもしれません。
ミスを減らして、間違いから学んで、可能な限りのリスクを回避する。
これは消極的に映るかもしれませんが、成功するためにはとても大事な考え方です。