「企画は言い出しっぺがやる」という文化を通じて、結果的にどうなったかを振り返ろうか。

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遥か話なんですが。

チーム内での会議をした際に、企画を出し合うこと、もしくは企画を提案することってありますよね。


学習塾の世界なんかだと、とりわけ夏期講習や冬期講習なんてのは一般的に知られていますが、その内容であったり、9~11月などのスキマ時期などにどんなイベント(=集客)をするか、なんて企画提案会議はよくあります。

そこで、上司が「顧客満足度を上げるために、どんな研修をしたい?」と問いかけました。


部下からは「~をのばすために、こういった研修をしたい」とか「~をみんなで学んで、全体化する」とか、いろんなアイデアが出てくるわけです。



部下も色々と自己研鑽していることが多い。

だから、見聞きした面白い研修やワーク、知識・智慧をみんなで共有して、伸ばしていきたいという熱意もある。


Aさんは次期リーダーとして活躍することを期待されていた。みんなよりも勉強したり、興味関心のアンテナを立てていたので、ぜひやりたい!と熱意を伝える。



それを受けて、上司は返す。


「じゃあ、Aさん、企画してくれたから任せていい?」と。


まぁ、流れ的には断ることもない。


Aさんは、実際にやることとなった。




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こんな感じで数回繰り返されると、Aさんの様子が浮き彫りになってくる。

ただでさえ忙しい次期リーダー候補。普通に仕事をしていても、周りよりも多くをこなしたり、多くを課されたりする。



そんな彼は自分の出した提案によって、他の人の何倍も働き、新しい企画を作る時間とコストをかけていた。


そりゃあそうだ、企画を実際に運用するにはめちゃくちゃエネルギーを使うから。


やがて、ぼそっと言う。


「企画を提案するの、大変だなぁ。」



それを見ている周りのメンバーは、さらにぼそっと言う。


「企画を提案なんてしたくないなぁ。出したらやらないとダメだもの。」

企画は言い出しっぺがやる。


それが、そのチームの文化であった。


結果的に、企画を提案することを躊躇することが増えてしまった。


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Aさんは、なんだかんだ言いながらも、その後も言い出しっぺであり続けた。


仕事も大変だし、キツいこともあっただろうから、自分で自分を苦しめている様子もあった。

ただ、それ以上にAさん自身がメキメキと成長する様子は自他ともに認めていた。


やがて、次期リーダーは名実ともにリーダーとなった。


たくさんの生徒に慕われ、仲間に助けられ、チームの大黒柱になった。

さて、昔の思い出の話が長くなりましたが。

研修っていうのは大事だなぁと思うけど、やったところで1~2割くらいの人たちしか成長しない。


それは何と言っても、発案者や企画者以外は「受け身姿勢」からは逃れられないからだ。


まぁ、学べることは無くはないけども、費用対効果はあまり高くない気がする。


本読んだら学べること、2時間もかけなくてよくない?とか。

よく、社員研修や社員教育は、会社が社員に向けてやるものだ、とも語られる。


ただ、そういう言葉を受けて会社側が研修プログラムを提供したところで積極的に参加する人は、なかなかいない。

ていうか、ほぼ皆無とも思っている。

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こういう研修を行う場合は、結局誰が一番成長するかと言えば、企画をして運営するものである。


企画を実際に運営しようとすると、細かいところまで想定を立てなければならない。


また、参加者が強制的に出てくれるのであれば集めるのは楽だが、「仕事だから参加している」という心理から脱却するためにたくさん工夫をしないといけない。


強制参加じゃなければ、余計に大変だ。そもそも参加してもらえるように働きかけないといけない。そこでうわべだけの訴求では、参加者は増えないしシラケてしまう。


こういった経験を踏みながら、工夫をしていく。


これが、結果的には普段の業務や、対顧客にも大いに活かせる経験になるのだ。

Aさんは、まさにそれだった。

正直なところ、企画を実行に移すのはとっても大変だ。


しかし、結果的に得られる経験は仕事をする上でめちゃくちゃ有用だ。


中途半端にスキルアップをするなんてことはなく、数段レベルアップを出来る。


めっちゃ大変だけどもね。


こうやって繰り返すことでしか、プロにはなれないような気もする。

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